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column お役立ちコラム

2025.05.23

太陽熱温水器の選び方 平板式vs真空管式|あなたの家に最適な集熱器はどっち?

「太陽の熱でお湯を沸かせる」太陽熱温水器。

環境にもお財布にも優しいこのシステムを家に取り入れたいと思ったとき、
まず疑問に思うのが「どんなタイプを選べばいいの?」ということではないでしょうか。

太陽熱温水器を選ぶ際に最も大切なのが「集熱器」と呼ばれる部分の種類です。
この集熱器は太陽の熱を集める装置で、いわば太陽熱温水器の「心臓」部分。
この選択を間違えると、効率が悪かったり、故障が増えたりすることもあります。

今回は、主に使われている「平板式」と「真空管式」という2種類の集熱器について、専門用語をできるだけ使わず、初めての方にも分かりやすく解説します。あなたの家に最適なのはどちらなのか、一緒に見ていきましょう。

平板式と真空管式って何が違うの?基本をイラストで解説

まずは、それぞれの集熱器がどんな形をしていて、どうやってお湯を沸かすのか、
基本の「き」から見ていきましょう。

平板式集熱器:黒い板で太陽熱を集める

平板式集熱器は、名前の通り「平らな板」のような形をしています。よく屋根の上に置かれた黒い板状のものを見かけたことがあるかもしれませんね。これが平板式集熱器です。

平板式の仕組み(超簡単説明):

  1. ガラスの下に黒い板(吸熱板)があります
  2. 黒い板が太陽の光を吸収して熱くなります(黒い色は熱を集めやすいんです)
  3. 黒い板の裏側には水や不凍液が流れる管があり、その水が温まります
  4. 温まった水をタンクに送り、お湯として使います

平板式は比較的シンプルな構造で、日本の多くの住宅で長年使われてきました。ReTerraも一般的な住宅用を想定し、平板式の集熱器を採用しています。

真空管式集熱器:魔法瓶のような管で効率よく熱を集める

真空管式集熱器は、細長い筒状の管がいくつも並んだ形をしています。
この管は「魔法瓶(保温ポット)」と同じような仕組みになっていて、熱を逃がさない特徴があります。

真空管式の仕組み(超簡単説明):

  • ガラスの二重管の間が真空になっています(魔法瓶と同じ原理)
  • 内側のガラス管の表面に特殊な黒いコーティングがあり、太陽の熱を吸収します
  • 熱は内部の銅製のパイプに伝わり、中の液体を温めます
  • 温まった液体の熱で水を温め、お湯として使います

真空管式は、特に寒い地域や悪天候が多い場所でも効率よく熱を集められる特徴があります。

どっちがたくさんお湯を作れるの?効率の比較

太陽熱温水器を選ぶときに気になるのは「どれだけ効率よくお湯が沸かせるか」ですよね。
平板式と真空管式では、どんな状況でどちらが有利なのか見ていきましょう。

お天気が良い日はどっち?

平板式:

  • 晴れた日は非常に効率が良く、たっぷりお湯が沸かせます
  • 太陽の光をしっかり正面から受けると最も効率が良くなります
  • 夏場など暖かい時期には大活躍!

真空管式:

  • 晴れた日も十分にお湯が沸かせます
  • 丸い形の管なので、太陽の位置が変わっても比較的安定して熱を集められます
  • 一日を通して安定した性能を発揮します

曇りの日や寒い日はどっち?

平板式:

  • 外の気温が低いと、集めた熱が外に逃げやすくなります
  • 冬の寒い日や曇りの日は効率が下がりがちです
  • 真冬の寒い朝は、あまり温かいお湯が期待できない場合も

真空管式:

  • 魔法瓶と同じ原理で熱を閉じ込めるので、外が寒くても熱が逃げにくいです
  • 曇りの日や寒い日でも、平板式よりも効率良くお湯を沸かせることが多いです
  • 冬場や朝夕の寒い時間帯でも比較的安定してお湯が作れます

1年を通して考えると?

地域によって最適な選択は異なります:

平板式:

  • 暖かい地域(東京より南や太平洋側など)
    1年を通して暖かく、晴れの日が多い地域では、シンプルで価格の安い平板式でも十分活躍します

真空管式:

  • 寒い地域(東北・北海道など)
    冬が寒く、曇りや雪の日が多い地域では、熱を逃がしにくい真空管式の方が年間を通して多くのお湯を作れることが多いです。
平板式 真空管式 太陽熱温水器 比較

あなたの住んでいる地域はどっちが向いてる?

住んでいる地域の気候によって、どちらの集熱器が適しているかは大きく変わります。
自分の地域に合った選択をするためのポイントを見ていきましょう。

日当たりの良さで選ぶ

平板式が向いている地域:

  • 年間を通して晴れの日が多い地域
  • 例えば:静岡、和歌山、高知など太平洋側の多くの地域
  • 目安:年間の晴れの日が多く、日照時間が長い地域

真空管式が向いている地域:

  • 曇りや雨の日が多い地域
  • 例えば:北陸、山陰、東北の日本海側など
  • 目安:冬場に天気が悪い日が続くことが多い地域

雪の多さで選ぶ

平板式の雪への対応:

  • 平らな形なので、雪が積もると集熱面が隠れてしまいます
  • 雪が積もると効率が大きく下がります
  • 雪が少ない地域向き

真空管式の雪への対応:

  • 丸い管の形状から、雪が自然に滑り落ちやすいです
  • 一部に雪が残っても、他の部分で熱を集められます
  • 雪の多い地域でも比較的使いやすい

冬の寒さで選ぶ

平板式の寒さへの対応:

  • 氷点下の気温が続くと、中の水が凍ることがあります
  • 真冬の極端に寒い日は効率がかなり下がります
  • 温暖な地域向き

真空管式の寒さへの対応:

  • 魔法瓶のような構造で熱を逃がしにくいため、外が寒くても効率が保たれます
  • 氷点下の気温でも比較的安定して働きます
  • 寒冷地でも使いやすい
平板式 真空管式 太陽熱温水器 比較

地域別おすすめガイド

わかりやすく地域別に、どちらがおすすめかまとめてみました:

日本 地域 優位性 平板式 真空管式 太陽熱温水器 比較
日本地図 色分け 平板式 真空管式 太陽熱温水器 比較 

いくらくらいかかるの?予算の比較

太陽熱温水器を選ぶときに、気になるのはやっぱりお金のことですよね。
初期費用(最初にかかるお金)とランニングコスト(使い続けるのにかかるお金)の両方を見ていきましょう。

初期費用(最初にかかるお金)

平板式の費用:

  • 集熱器本体:約15〜25万円
  • 工事費込みの全体:約40〜70万円
  • 比較的シンプルな構造のため、真空管式より安いことが多い

真空管式の費用:

  • 集熱器本体:約20〜35万円
  • 工事費込みの全体:約45〜80万円
  • 構造が複雑なため、平板式より1〜2割ほど高くなる傾向

メンテナンスにかかるお金

平板式のメンテナンス:

  • 部品交換の頻度:3〜5年に1回程度
  • 主な点検項目:中の液体(不凍液)の交換、パッキンなどのチェック
  • 1回のメンテナンス費用:約1〜3万円

真空管式のメンテナンス:

  • 部品交換の頻度:3〜5年に1回程度
  • 主な点検項目:真空管の状態チェック、管の交換など
  • 1回のメンテナンス費用:約2〜4万円
  • 管が割れた場合は個別に交換できる利点もある

元を取るまでの期間

太陽熱温水器を設置すると、ガスや電気代が節約できます。
では、設置費用の元を取るには何年くらいかかるでしょうか?

平板式の回収期間:

  • 暖かい地域:約8〜12年
  • 寒い地域:約10〜15年

真空管式の回収期間:

  • 暖かい地域:約10〜15年
  • 寒い地域:約8〜13年

寒い地域では真空管式の方が年間を通してたくさんお湯を作れるため、
初期費用は高くても元を取るのが早くなる傾向があります。

平板式 真空管式 太陽熱温水器 比較

設置場所はどう考える?家の条件による選び方

太陽熱温水器は屋根などに設置するものなので、家の形や向きによっても選び方が変わってきます。
どんな条件で選べばよいか見ていきましょう。

屋根の形による選び方

平板式に向いている屋根:

  • 広くて平らなスペースがある屋根
  • 南向きの傾斜屋根
  • 屋根の強度がしっかりしている家

真空管式に向いている屋根:

  • 設置スペースが狭い屋根
  • 東西向きに長い屋根
  • 形が複雑な屋根

設置方向と角度による選び方

平板式の設置方向:

  • 最も効率が良いのは真南向き
  • 東や西に向いていると効率が下がりやすい
  • 傾斜角度は30〜40度が理想的

真空管式の設置方向:

  • 南向きが理想。しかし、東西向きでも比較的効率が保たれる
  • 丸い形状のため、太陽の位置が変わっても熱を集めやすい
  • さまざまな角度でも使いやすい

建物の周りの環境による選び方

平板式への影響:

  • 周りの建物や木の影が一部でもかかると、全体の効率が下がることがある
  • 周囲に影を作るものがない、開けた場所に適している

真空管式への影響:

  • 一部の管に影がかかっても、他の管は熱を集め続ける
  • 部分的に影ができる場所でも使いやすい
平板式 真空管式 太陽熱温水器 比較 環境 設置

平板式と真空管式、どちらを選ぶべき?最終判断ポイント

これまでの比較を踏まえ、最終的な判断ポイントをまとめます。

平板式を選ぶべき人

以下の条件に当てはまる方には、平板式がおすすめです:

  • 温暖な地域に住んでいる:年間を通して気温が比較的高く、日照条件が良い地域
  • 初期コストを抑えたい:より手頃な価格で導入したい
  • 南向きの広い屋根がある:最適な設置条件が確保できる
  • シンプルさと実績を重視する:長年の実績がある安定した技術を求める
  • デザイン性を重視する:屋根と一体化したスマートな外観を望む

真空管式を選ぶべき人

以下の条件に当てはまる方には、真空管式がおすすめです:

  • 寒冷地に住んでいる:冬季の低温や雪の多い地域
  • 曇天日が多い地域に住んでいる:日本海側などの日照条件が厳しい地域
  • 集熱効率の安定性を重視する:年間を通して安定した温水供給を望む
  • 設置場所に制約がある:方位や角度が最適でない場所に設置する必要がある
  • 部分的な影や障害物がある:周囲の建物や樹木の影響を受ける環境

専門家によるアドバイスの重要性

太陽熱温水器の選択は、住宅の立地条件やライフスタイルなど、様々な要素を総合的に判断する必要があります。最終的な判断には、専門家による現地調査とアドバイスを受けることをおすすめします。

当社では、お客様のご自宅の条件や要望に合わせた最適な太陽熱給湯システムをご提案しています。
無料の現地調査も行っておりますので、お気軽にご相談ください

まとめ:自分に合った集熱器で太陽の恵みを最大限に

太陽熱温水器の集熱器選びは、長期にわたるエネルギー効率とコストパフォーマンスを左右する重要な選択です。
平板式真空管式、それぞれに長所と短所があり、「どちらが絶対的に優れている」というわけではありません。

お住まいの地域の気候条件、住宅の特性、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮し、最適な選択をすることが大切です。

当社ではお客様一人ひとりに最適なシステムをご提案しています。
専門スタッフによる丁寧な説明と、実績に基づくアドバイスで、後悔のない選択をサポートいたします。

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