column お役立ちコラム
【図解】太陽熱温水器「自然循環式」と「強制循環式」の違いを徹底解説
皆さんは「太陽熱温水器」といえば、屋根の上に設置された黒いパネルと大きなタンクをイメージされるのではないでしょうか?
実は太陽熱温水器には、大きく分けて「自然循環式」と「強制循環式」の2種類があります。両者は見た目だけでなく、仕組みやメリット・デメリットも大きく異なります。
今回のコラムでは、太陽熱温水器の2つのタイプを徹底比較し、それぞれの特徴を解説します。住宅への太陽熱利用システムを導入検討されている方はぜひ参考にしてください。
太陽熱温水器の基本:自然循環式と強制循環式の仕組み
まずは、それぞれの基本的な仕組みをご紹介いたします。
自然循環式(重力式)とは

自然循環式は、物理現象を利用した最もシンプルな太陽熱温水器です。
水が温まると密度が下がって上昇する「対流」の原理を利用しています。
仕組み:
- 太陽熱集熱器で温められた水は自然に上昇し、屋根上に設置されたタンクに溜まります
- 冷たい水は下部に沈み、再び集熱器へ循環します
- この自然な水の流れによって、ポンプなど電気を使わずにお湯を作ります
つまり、電気を一切使わずに太陽熱だけでお湯を沸かせるのが最大の特徴です。
強制循環式(ソーラーシステム)とは


強制循環式は、ポンプを使って水や不凍液を強制的に循環させる方式です。
ReTerraもこちらの強制循環式の太陽熱温水器のタイプに該当します。
仕組み:
- 屋根に設置された集熱パネルで太陽熱を集めます
- 集熱パネル内の熱媒(水や不凍液)をポンプで強制的に循環させます
- 熱交換器を通じて貯湯タンク内の水を温めます
- 自動制御システムによって最適な温度管理が行われます
設置性の比較
自然循環式
- 設置場所の制約: タンクを集熱器より高い位置に設置する必要があり、通常は屋根上に大きなタンクを設置
- 建物への負荷: 水を貯めた重いタンクを屋根に設置するため、建物の構造強度が必要
- 適した建物: 強度が確保された一戸建て住宅向け
- 寒冷地対応: 凍結の恐れがあるため、寒冷地では不向き
強制循環式
- 設置の自由度: タンクを軒下や室内(例:屋内機械室)に設置できるため、屋根には軽量の集熱パネルのみ
- 設置工事: 配管工事や電気工事などが必要
- 適した建物: 戸建て住宅からマンション、商業施設まで幅広く対応可能
- 寒冷地対応: 不凍液を使用するタイプもあり、寒冷地でも使用可能

ポイント:
強制循環式は設置場所の自由度が高く、建物への負担も少ないため、様々な住宅形態に対応できます。ReTerraにおいてもタンクについてはスリム化を実現しており、狭い土地への設置や屋根の見た目をすっきりさせたい方にもおすすめです。
機能・操作の比較
自然循環式
- 操作性: 基本的に操作は不要で、自然の力だけで動作します
- お湯の温度: 天候や季節によって温度が左右されやすく、一定ではありません
- お湯の使用: 主に日中に温められたお湯を使用するのに適しています
- 曇りや雨の日: 十分なお湯が確保できない場合があります
強制循環式
- 操作性: リモコン(コントローラー)による自動制御が可能で、お湯の温度管理ができます
- お湯の温度: 設定温度を維持しやすく、安定したお湯の供給が可能です
- 追い焚き機能: 多くのシステムでは補助熱源(主にはガス給湯器)と連携可能です
- 天候対応: 曇りの日でも効率的に熱を回収し、不足分は自動的に補助熱源でカバーします

ポイント:
ReTerraのような強制循環式システムは、使い勝手と快適性を重視する現代のライフスタイルに適しています。特に、安定したお湯の温度を求める家庭では大きなメリットがあります。
コストの比較
自然循環式
- 初期費用: 約30〜50万円(設置工事費込み)
- ランニングコスト: ほぼゼロ(電気を使用しないため)
- 耐用年数: 約10〜15年
- 費用対効果: 初期投資が比較的低く、ランニングコストがかからないため、長期的には経済的
強制循環式
- 初期費用: 約50〜100万円(システムの規模や性能による)
- ランニングコスト: ポンプや制御系の電気代(月数百円程度)
- 耐用年数: 約15〜20年(部品によって異なる)
- 費用対効果: 初期費用は高いものの、エネルギー効率が高く熱回収率も優れているため、長期的に見れば経済的

ポイント:
ReTerraのような高効率強制循環式は、初期投資は大きいですが、光熱費の削減効果も高く、長期的な視点では経済的なメリットが大きいといえます。また、国や自治体の補助金制度を活用することで、初期費用を抑えることも可能です。
メンテナンスの比較
自然循環式
- メンテナンス頻度: 比較的シンプルな構造のため、基本的なメンテナンスは少なめです
- 主な点検項目: タンクの腐食、水漏れ、集熱パネルの汚れなど
- 耐久性: 屋外に設置するため、紫外線や風雨の影響を受けやすいです
- 故障時の対応: システムがシンプルな分、部品交換などは比較的容易です
強制循環式
- メンテナンス頻度: 定期的な点検が推奨されます(年1回程度)
- 主な点検項目: ポンプの動作確認、配管の漏れ、熱媒の状態、制御系の動作確認など
- 耐久性: 集熱器は屋外ですが、タンクや機器類は室内設置も可能なため長寿命です
- 故障時の対応: 電気系統やポンプなど、専門的な修理が必要な場合があります

ポイント:
ReTerraは、IoTによるスマート保守や選べる延長保証パック(10年・15年)を準備しており、期間内での不良や故障においては無償で修理・サポートを行っております。専門知識を持ったスタッフによる点検により、トラブルを未然に防ぐことRができます。
ReTerra IoTによるスマート保守について:
ReTerraの保証について:
デザインの比較
自然循環式
- 外観: 屋根上に集熱器と大きなタンクが設置され、存在感があります
- 景観への影響: 伝統的な外観で、特に古くからある住宅街ではよく見られますが、現代の住宅デザインとは調和しにくい場合もあります
- カスタマイズ性: デザインのバリエーションは限られています
強制循環式
- 外観: 屋根上には薄型の集熱パネルのみで、タンクは室内に設置するためすっきりとした印象です
- 景観への影響: 近年の建築デザインとの調和がとりやすく、太陽光発電パネルと見間違えられることも
- カスタマイズ性: 集熱パネルのサイズやレイアウトに自由度があり、建物のデザインに合わせやすいです

ポイント:
ReTerraは特に外観にこだわりを持つ方に適しています。屋根上にはスタイリッシュな集熱パネルのみを設置し、タンクも洗練されたデザインで住空間との調和を重視しています。
まとめ:どちらを選ぶべき?
それぞれの特徴を踏まえ、どのようなケースでどちらのシステムが適しているかをまとめます。
自然循環式がおすすめな方
- とにかく初期費用を抑えたい方
- メンテナンスの手間を最小限にしたい方
- 電気を一切使わないエコな仕組みにこだわる方
- お湯の温度にそれほどこだわらない方
強制循環式(ReTerraなど)がおすすめな方
- 安定した温度のお湯を使いたい方
- 寒冷地にお住まいの方
- 住宅のデザイン性を重視される方
- 省エネ効果を最大化したい方
- 長期的な使用を考えている方
太陽熱温水器は、再生可能エネルギーを活用した環境にやさしい給湯システムです。特にReTerraのような最新の強制循環式システムは、従来の太陽熱温水器のイメージを覆す高効率・高デザイン性を実現しています。
お住まいの環境や生活スタイル、予算に合わせて最適なシステムを選ぶことで、快適な温水ライフと環境への貢献、そして光熱費の削減を同時に実現できます。ぜひ一度、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
当社では、お客様のライフスタイルに合わせた最適な太陽熱システムのご提案を行っています。どのようなシステムが最適か、無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。