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column お役立ちコラム

2025.06.27

不凍液の秘密に迫る!太陽熱温水器と車の不凍液、その役割とReTerraの選択

ReTerra太陽熱温水器の全体構成

私たちの日常生活で「不凍液」という言葉を耳にする機会は、車のエンジン冷却水としてが多いかもしれません。しかし、この「不凍液」は、太陽熱温水器においても、非常に重要な役割を担っています。

近年、環境意識の高まりとともに太陽熱温水器への関心が増えています。その中で、システムの心臓部ともいえる不凍液について正しく理解することは、適切な機器選択につながります。

本記事では、一般的な不凍液の役割から、なぜ太陽熱温水器に不凍液が必要なのか、そして太陽熱給湯システム「ReTerra(リテラ)」における不凍液の考え方について解説します。

不凍液とは?その一般的な役割と種類

自動車エンジンの不凍液循環システム

不凍液とは、その名の通り「凍らない液体」であり、様々な分野で活用されています。最も身近な例は、自動車のエンジン冷却水として使用されているものです。

不凍液の3つの主要な役割

凍結防止機能 :

冬場の低温下でも凍結せず、配管や機器の破損を防ぎます。水が凍ると体積が約9%膨張するため、密閉された配管や容器内で凍結すると、強大な圧力により破裂や亀裂が生じる恐れがあります。不凍液は、この物理的な破壊を防ぐ重要な役割を担っています。

雪が積もった環境

熱媒体としての機能 :

熱を効率的に吸収し、別の場所へ運ぶ媒体として機能します。車のエンジンでは、エンジンの燃焼熱を吸収してラジエーターで放熱する役割を担います。この熱輸送能力は、太陽熱温水器においても同様に重要な特性となります。

防錆・防食機能 :

金属製の機器や配管が錆びたり腐食したりするのを防ぐ成分が含まれています。長期間にわたって金属と接触する不凍液には、腐食インヒビター(防食剤)が配合されています。その不凍液がシステムの長寿命化に貢献しています。

不凍液の主な種類と特徴

不凍液には、主成分によって以下のような種類があります:

エチレングリコール系不凍液

  • 最も一般的で広く使用されている
  • 優れた凍結防止性能を持つ
  • 毒性があるため取り扱いに注意が必要

プロピレングリコール系不凍液

  • 食品添加物にも使用される成分
  • エチレングリコール系と比較して毒性が低い
  • 環境負荷が比較的少ない
エチレングリコール系プロピレングリコール系
凍結防止効果
毒性強い弱い
粘度低い高い
用途自動車の冷却水や、航空機の除氷液、水性塗料、ペットボトルやポリエステル樹脂の原料食品、医薬品、化粧品、熱媒、冷媒、不凍液など様々。
防錆・
防食効果

用途や使用環境、安全性の要求に応じて、適切な種類の不凍液が選択されています。

太陽熱温水器における不凍液の重要性とシステム構造

強制循環式の太陽熱温水器において、不凍液はシステムの中核を成す重要な要素です。その役割は単純な凍結防止にとどまらず、システム全体の性能を左右する重要な要素となっています。

太陽熱温水器での不凍液の具体的な役割

効率的な熱輸送媒体 :

太陽熱温水器の集熱器で太陽の熱を効率よく吸収します。その熱を貯湯タンク内の水に伝える「熱媒体」としての役割を担います。集熱器で温められた不凍液は、循環ポンプによって運ばれ、貯湯タンク内の水を加熱します。

冬季のシステム保護 :

冬場、外気温が氷点下になるような状況でも、不凍液は凍結しません。集熱器や配管の破損を防ぎ、システムの安定稼働を維持します。特に寒冷地域では、この機能は太陽熱温水器の安定運用に不可欠です。

年間を通じた安定運転 :

季節や気候条件に関わらず、一定の流動性を保つことで、年間を通じて安定した熱回収を可能にします。

不凍液の劣化とメンテナンスの必要性

不凍液は永続的に性能を維持するものではありません。熱や空気(酸素)、あるいはシステム内の不純物などとの接触により、時間の経過とともに以下のような劣化が進む可能性があります:

不凍液の補充・交換が必要
  • 酸化による変化:流動性や熱輸送性能への影響
  • pH値の変化:防食性能への影響
  • 熱効率への影響:熱輸送能力の変化
  • 不純物の発生:配管内への影響

これらの変化により、定期的な不凍液の点検や交換が必要となる場合があります。

ReTerraが選んだ「専用プロピレングリコール不凍液」について

太陽熱給湯システム「ReTerra」では、不凍液として専用のプロピレングリコール不凍液を使用しています。
この選択は、お客様に安心と高い性能を提供しています。

不凍液

プロピレングリコール系不凍液の特徴

太陽熱給湯システム「ReTerra」が導入している専用プロピレングリコール不凍液は、主にプロピレングリコールを主成分とする不凍液です。その主な特徴は以下の通りです:

熱安定性 :

高温環境下でも比較的安定した性能を維持するとされています。太陽熱温水器の集熱器内部は高温になることがあるため、この特性は重要です。

防錆・防食性 :

システム内の金属配管やタンクの錆や腐食を防ぐための成分が含まれています。

環境への配慮と安全性 :

プロピレングリコールは、食品添加物としても使用される成分であり、エチレングリコールと比較して以下の特徴があります。

プロピレングリコールエチレングリコール
急性毒性エチレングリコールの1/3毒性は強い
環境への影響少ない高い
漏洩時の影響小さい大きい

ReTerra専用不凍液の考え方

太陽熱給湯システム「ReTerra」では、太陽熱温水器の運転条件に適した不凍液の選定を行っています。

ただし、具体的な性能値や交換頻度については、設置環境や使用条件により異なる場合があるため、詳細は個別にご相談いただく必要があります。

ReTerraのシステム設計における不凍液への配慮

太陽熱給湯システム「ReTerra」では、不凍液の性能を最大限に活用し、長期間の安定使用を実現するための独自のシステム設計を行っています。

金属 ステンレスをイメージ

ステンレス製不凍液タンクの採用

一般的な太陽熱温水器との違い :

一般的な強制循環型の太陽熱温水器では、不凍液タンクに樹脂製(プラスチック製)のタンクが使用されています。一方、太陽熱給湯システム「ReTerra」ではステンレス製の不凍液タンクを採用しています。

ステンレス製タンクの優位性: ステンレス製タンクの採用により、以下のメリットを実現しています

  • 高い耐圧性能: 密閉構造で高まる圧力に対して十分な強度を持つ
  • 優れた気密性: 不凍液の蒸発を効果的に防止
  • 酸化防止: 不凍液が空気(酸素)と接触する機会を大幅に削減
  • 長期耐久性: 紫外線や温度変化による劣化がない

密閉構造による不凍液保護

ステンレス製タンクの高い強度により、システム全体を密閉構造にすることが可能です。これにより、不凍液の酸化劣化の主要因である酸素との接触を極限まで抑制し、不凍液の性能を長期間維持できます。また揮発による不凍液の減少を低下させることにより、不凍液の補充(交換頻度)を少なくすることができます。

運転制御システム

適切な温度管理と循環制御により、不凍液への負荷を軽減する制御を行っています。

長期使用とメンテナンスについて

工事 業者 業者選定

太陽熱給湯システム「ReTerra」における不凍液のメンテナンスは、独自の技術により従来の太陽熱温水器と大きく異なる特徴を持っています。

ReTerraの10年メンテナンスサイクル

長期メンテナンスサイクルの実現

ReTerraは、不凍液の交換頻度を10年に一度に設定しています。
これは、一般的な太陽熱温水器の不凍液交換サイクルと比較して約3倍の長寿命を実現しています。

長寿命化の技術的背景 この長期メンテナンスサイクルは、以下の技術的要素により実現されています:

  • ステンレス製不凍液タンク: 高い耐久性と高い密閉性能
  • 専用プロピレングリコール不凍液: 優れた熱安定性と防食性能
  • 酸化防止設計: 密閉構造による酸素遮断
  • 蒸発防止: ステンレス製タンクによる高い気密性

お客様にとってのメリット 10年メンテナンスサイクルにより、以下のメリットを提供します:

  • メンテナンス頻度の削減: 従来の約1/3の頻度
  • メンテナンス計画の立てやすさ: 長期的な計画が可能
  • 専門業者による作業回数の削減: お客様の立ち会い負担軽減
  • メンテナンス費用の削減:1回のメンテナンスに関わる費用が2~3万円程度、10年で4~7万円を節約

お客様へのサポート

太陽熱給湯システム「ReTerra」では、適切なメンテナンスを通じてシステムの長期安定運用をサポートしています。不凍液に関するご質問やメンテナンスについては、お気軽にご相談ください。

まとめ:不凍液選択とシステム設計の重要性

家族団らんの様子

太陽熱温水器において、不凍液は見えない部分でありながら、システムの性能と安全性を支える重要な要素です。ReTerraは、不凍液の選定からシステム設計まで、総合的な観点から品質の確保に取り組んでいます。

太陽熱給湯システム「ReTerra」の技術的優位性

ステンレス製タンクと専用不凍液の相乗効果:

一般的な太陽熱温水器が樹脂製タンクを使用しています。ReTerraはステンレス製不凍液タンクを採用することで、密閉構造を実現しています。この技術により、専用プロピレングリコール不凍液の性能を最大限に活用し、従来の約3倍となる10年間の長期使用を可能にしています。

システム全体での最適化:

単に高性能な不凍液を使用するだけでなく、それを活かすためのシステム設計(ステンレス製タンク、密閉構造、適切な制御システム)との組み合わせにより、真の長期安定性を実現しています。

太陽熱温水器の導入をご検討の際は、表面的な機能や価格だけでなく、システムを支える技術や部材についても確認されることをお勧めします。特に、不凍液タンクの材質やメンテナンスサイクルは、長期的な運用コストに大きく影響する重要な要素です。

不凍液システム選択のポイント

  • タンク材質: ステンレス製か樹脂製かによる耐久性の違い
  • 密閉性能: 不凍液の劣化防止能力
  • メンテナンスサイクル: 長期的な運用コストへの影響
  • 安全性: 環境や人体への影響を考慮した成分選択
  • システム適合性: 不凍液とシステム構成材料との相性

再生可能エネルギーの活用がますます重要になる今、適切な不凍液システムの選択により、太陽熱温水器の性能を長期間維持し、持続可能なエネルギー利用を実現することが可能です。


注意:本記事に記載されている技術仕様や性能値については、実際の製品仕様書をご確認ください。設置環境や使用条件により性能が異なる場合があります。

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