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秋から冬、お湯の使用量はどれくらい増える?家庭の給湯費が上がる理由
10月に入り、朝晩の空気が少しずつ冷たくなってきました。この季節、実は蛇口から出る水そのものの温度も、静かに変化しています。今回は、季節によって給湯にかかるエネルギーがどう変わるのか、「水の温度」という視点から考えてみます。
実は「水道水の温度」が季節で変わっている
夏と冬で、水道の蛇口から出てくる水の冷たさが違うと感じたことはないでしょうか。これは体感だけの話ではなく、実際に水道水の温度は季節によって変動しています。
もちろんこれは東京都のデータであり、地域や水源(河川水・地下水など)によって数値は異なります。ただ、「冬は水道水そのものが冷たくなる」という傾向自体は、多くの地域に共通する現象です。
給湯に必要なエネルギーは「温度差」で決まる
ここで重要なのが、給湯器の仕事は「お湯をつくる」ことではなく、「水を設定温度まで温める」ことだという点です。同じ40℃のお湯を出すのでも、もとの水温によって、温めなければならない「温度差」が変わってきます。
水道水が25℃前後の時期は、40℃のお湯にするための温度差は約15℃。水道水が8℃前後まで下がる時期は、同じ40℃のお湯でも温度差は約32℃。温める幅が2倍以上に広がります。
温度差が大きいほど、同じ量のお湯をつくるにも、より多くの熱エネルギーが必要になります。給湯器が「冬は忙しくなる」と言われるのは、単に外が寒いからではなく、もとになる水の温度そのものが下がっているから、というのが実態に近い理由です。
お湯の「使い方」も、季節によって変わっていく
水の温度に加えて、私たちの暮らし方そのものも、季節によって変化します。夏はシャワーで済ませることが多かった方が、秋冬になると湯船に浸かる頻度が増える。これは、多くの方が体感として感じている変化ではないでしょうか。
実際、環境省が実施する「家庭部門のCO2排出実態統計調査」でも、給湯に関する調査項目の中に「冬と夏の入浴状況」が含まれており、季節によって入浴の仕方やお湯の使い方が異なることが調査の前提として扱われています。
環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」では、給湯に関する調査事項として「給湯器の種類」「冬と夏の入浴状況」「入浴やお湯の使用に関わる省エネルギー行動」などが継続的に調べられています。季節によって入浴スタイルが変わることは、統計調査の設計上も前提とされている変化です。
「水そのものが冷たくなる」ことと、「お湯の使い方が変わる」こと。この2つが重なることで、秋から冬にかけて、給湯にかかるエネルギーは自然と増えていきます。
「先に温めておく」ことの意味が大きくなる季節
このように考えると、給湯エネルギーが増える季節ほど、水を「あらかじめ温めておく」ことの意味が大きくなるとも言えます。ゼロから温度差32℃を温めるのと、あらかじめ何割か温められた水から温めるのとでは、給湯器側の負担が変わってくるからです。
マルヤス工業の太陽熱給湯システム「ReTerra(リテラ)」は、まさにこの部分を担う仕組みです。屋根に設置した集熱器で太陽の熱を集め、200Lの貯湯タンクへ届けることで、既存のガス給湯器や石油給湯器が「ゼロから」温める前段階を、太陽の熱が支えます。
太陽の熱で水を先に温め、給湯に必要なエネルギーの一部を補う。足りない分は、既存の給湯器が引き続き担います。太陽熱だけで完結させる設計ではなく、「補い合う」仕組みです。
▶ 動画でわかる:ReTerraの仕組み
なお、太陽熱が季節を通じてどのように働いているかについては、前々週のコラム「太陽熱給湯は冬でも使える?秋冬の太陽熱給湯の仕組みを解説」でも詳しく解説しています。あわせてご覧いただくと、季節による集熱量の変化と、今回の給湯エネルギーの変化がつながって見えてきます。
季節の変化を、少しだけ意識してみる
毎日使っているお湯も、その裏側にある水の温度や、給湯器が担っている仕事の量は、季節によって静かに変わっています。「今日はなんとなくお湯が恋しいな」と感じるとき、それは水そのものが冷たくなっているサインなのかもしれません。
給湯にかかるエネルギーは、季節によって自然と変化します。だからこそ、太陽の熱を先に活かしておくという選択肢には、寒い季節ほど意味があります。「お湯を気にしない毎日」は、こうした小さな仕組みの積み重ねで支えられています。
- 東京都水道局「水道水の水温」 https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/topic/03/
- 環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)」 https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateiCO2tokei.html